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船内通信のための工業イーサネット

歴史的に見て、より新しく最良な船舶技術の開発は、進歩の印しといえます。古代のボートは、確かに簡単なカヌーおよび “いかだ”であり川を旅し湖や海上を海岸からあまり離れず航行しました。その後、エジプト、ギリシアおよびローマのシングルセールの船が最終的に洗練された海洋航海船として出現し伝説的な中国の人物である鄭和とイタリア人のクリストファ・コロンブスが海洋を航海しました。事実、これらの2人の偉大な航海士を比較すると面白いことが分かります。鄭和は、コロンブスのアメリカ大陸発見よりも70年前に62の船隊を組みおよそ2万8000人の船員を引き連れて7回も西洋に航海したと伝えられています。船団の中で最大の船は長さ120mもある大型船です。しかし、皇帝の死後、すべての船と航海記録は焼かれてしまい公式の記録がありません。一方、クリストファ・コロンブスは、鄭和の船に比べ長さおよそ1/5の水の漏れやすい3隻の船と100人足らずの船員で大西洋を航海しアメリカ大陸を発見しました。そしてこの航海がヨーロッパとアメリカ大陸の歴史に劇的な影響力を与えたことになります。そして近代になり、蒸気船の出現により従来のように単に海流と風だけに頼ることなく乗客と貨物を乗せて大航海ができる大型船舶の建造が可能となりました。
 
船舶の主要なコントロールシステム
船舶のコントロールシステムは、システムにより異なるオペレーションの原則に基づき4つの主要なシステムに分割することができます。この4つのカテゴリは、低圧空気コントロールシステム、油圧システム、電気制御システム、自動制御システムからなります。
 
低圧空気コントロールシステム
低圧空気コントロールシステムは、Pneumatic Tool(空気圧ツール)を制御するのに用いられます。これらのツールは、例えば、小型マシンや計測器のドライブ、エンジンシステム、電気発電機など多くの目的のために使われます。
 
油圧システム
油圧システムは、大型機械、ポンプシステム、ダビット(Davit)を制御します。更に、油圧は、船のストレージシステムの管理にしばしば用いられます。
 
電気制御システム
電気制御システムは、電気システム、通信機器、電気ツールを制御します。船で発電する電力の大部分は、オペレーションに多くのエネルギが要求され、これらのシステムに使われます。
 
自動制御システム
自動制御システムは、船の大部分のシステムオペレーションの役割を果たします。これらのシステムは、通常、メカニカル機器を制御する小型モータやギアと結合されます。
 
伝統的な制御システムのマネージメントへの挑戦
近代の船舶の水力システム、電気制御システム、自動制御システムは、異なる船舶の操作で重要な役割を果たしていますが低圧空気制御システムは、徐々に撤退の方向にあります。既存のプライマリ制御システムは、電気システム、エアコンシステム、ダメージコントロールシステム、燃料システム、推進システム、補助装置、レーダシステム、ソナーシステム、ラジオシステム、誘導システム、エマージェンシシステム、警報システム、ウエイポンシステム(戦艦)などのような異なった操作機能を制御するために船舶全体に対して設置されています。 また、それぞれの制御システムは、コントロールおよびモニターリングのための独立したHMIおよびSCADAに接続をすることが要求されます。
 
船舶の分散システムは、本来非常に複雑であり、異なる操作基準にかかわり操作やメンテナンスのために多くのマニュアル作業を必要とします。船舶における伝統的な操作とコミュニケーションに関する主たる問題は、分散されたシステムコントロールとモニタを行うために多数の乗組員と複雑な作業の必要性を要求することです。その結果、船舶の異なるシステムをマネージメントするための新人の訓練には高価な費用を費やすることになります。この種類の問題を解決する唯一の方法は、統合したネットワークを構築して船のメインシステムからコントロールセンタまで自動制御の伝達をコーディネートして情報をモニタすることです。
 
船舶コミュニケーションのための工業イーサネットソリューション
オートメーション制御装置とデバイスは、従来,船舶で使われていた既存の多くのシステムを置き換えました。増大する多数のPLCやフィールドI/Oなどのオートメーションコントロールメーカは、現在ビルトインしたイーサネット・インタフェース製品を製造しています。事実、イーサネットは、船舶のオートメーション・システムに使われるネットワークのソリューションとなりました。オートメーションコントロール・システムは、イーサネットコミュニケーション・ネットワークと統合してコントロールセンタへ分散操作およびコントロールインフォメーションを自動的に伝達することによりワークロードおよび乗組員を削減することができました。
 
工業イーサネットを使った船舶オートメーションの6つのメリット:
  • 集中制御と管理
    イーサネットは、オープンスタンダードに基づくのでイーサネット規格をサポートする全てのオートメーションデバイスは、ネットワークに接続することができます。そのため制御情報は、モニターリングと同期してリアルタイムにコントロールセンタに送ることができます。
  • マネージメントコストの削減
    伝統的に船のオーナにとって悪夢であった大量の船員の必要性は、高度なシステムと特定HMI/SCADAにより必要がなくなりました。イーサネットによってインテグレートされた制御ネットワークは、作業負担を減らすだけでなく船の分散システムを維持するには少ない船員で十分となりました。例えば、100,000トンの商船は、20人のよく訓練された船員だけで運用できるので劇的に経費を削減することができました。
  • 容易なマネージメントとメンテナンス
    イーサネットは、20年以上にわたり使われている標準的な通信プロトコルです。このように開発尽くされた技術を利用して情報の管理やメンテナンスをより簡単かつ便利に行なえます。またイーサネット技術の専門家を見つけることも比較的簡単です。
  • 多種のメディアが使えるアフォーダブルな帯域幅
    全てのコントロールシステムを一つのネットワークに統合することによりネットワークを介して送られる複雑なデータ量は増大し直ぐに”Data Monster”になり当然広い帯域幅を必要とします。イーサネットは、船内でアフォーダブルなネットワーク帯域幅を提供します。現在、ネットワークを形成する工業イーサネットスイッチは、10/100Mポートを使用していますが、従来のシリアル通信ネットワークに比べ広帯域幅を提供します。最近のイーサネットスイッチは、広帯域幅が要求されギガビットのバックボーンネットワークに使用することができます。
  • 高い柔軟性
    各種のイーサネットスイッチは、異なるポート密度とインテリジェントな管理機能を備えると共にイーサネットスイッチは、ファイバーオプティックポートを備えていますので大型船に必要とされる長距離伝送の条件を満たすことができます。このためシステム・インテグレータは、船内ネットワークに必要とされる最も適切なスイッチを選択できます。また、スイッチは、リダンダンシ、VLAN、QoS、IGMPスヌーピングといった管理機能を搭載しています。更に、ネットワーク計画と管理のために付加価値を提供するポートトランキングを備えています。
  • 拡張およびアップグレード可能
    オートメーション・コントロール・メーカは、イーサネットインターフェースを備えた制御機器を提供していますが、アプリケーションの増大により現在、ビデオ監視、RFIDなどもイーサネットをサポートしています。そして、多くの異なるソースからデータを取り入れるコミュニケーション・システムを構築するにはイーサネットが最もふさわしい選択といえます。
 
イーサネットをベースとした工業オートメーションネットワークは、大型商船、遠洋定期船、貨物船、タンカおよび造船所のマネージメントの効率化および高い費用効果が得られるソリューションが可能です。商船と比較して軍用艦は、先端的な技術と、より洗練された制御とモニターリングを統合することが必要です。既に、フランス海軍を初めとして日本の自衛艦でも採用されています。今後、イーサネットは、ますます各種大型船のコミュニケーションに取り入れられる傾向になっています。
 
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